世界のアート(おかん含む)やデザイン巡る気まま旅

デザインや手芸や建築やアートやおかんアートを巡って、世界のあちこちをフラフラした記録です。自分の備忘録と、これから旅するかもな人への便利情報のつもりです。

銀譚村のピカピカ布 |kao kanamori

こちらは貴州省の南東部、山あいの谷間にあるトン族の村。 そもそもこの苗族(ミャオ族)の元に旅するきっかけとなった「侗布」通称“ピカピカ(テカテカ)布”を求めてたどり着く。

するとまさにその侗布を全面に使った民族衣装を着た女性たちが、早速我々観光客がやってくるのを待ち構えて、実演してくれる。

 

さっそく「侗布」を干しまくってます!!

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きたー。正装で働きまくる女性たち。*2017年に行った時の様子デス

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 首元や袖口のテープづかいとレイヤー

濃紺やブロンズ色の無地に光沢あるテキスタイルはクールな印象。しかしよく見ると、鮮やかなグリーンやマゼンタ色の刺繍や織リボンがポイントに使われており、重ね着しているアイテムのディティールが計算されて少しづつ見え隠れするようになってる。

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後ろは金属のネックレスというか、重りのようなものが。

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上着を脱ぐと、金太郎のエプロンみたいなのをしてました。さっきの重りはこれに繋がっていたっぽい。

脚絆とかカーデはテカテカ布風だけど、化繊かな?

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この村を2017年も2018年も案内してくれた、元小学校の先生。男性は頭の布の巻き方が雄々しい。

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この人のように、どの村にも公用語の「中国語」が話せる人が少しいて、その人が我々のガイドさんとやりとりして、コミュニケーションをとってくれる。他の村人はだいたい、民族の言葉しか話さない。

 

さて ピカピカ(テカテカ)布の作り方!

まずは織った布を藍染めします。

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それを乾かしたあと、タマゴの白身を鳥の羽で塗りながら、木槌でとことんまで叩く。

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これがトントンする台になる石。 

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トントントントン叩きまくって、生地の目を潰してペラペラにテカテカにしていくようです。

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なんどもやるとこんな感じになるらしい。豚血を使うと、深い赤紫色になります。使わない藍色バージョンも、あります。

 

ちなみにこれは2018年の訪れた時の写真です。またちょっと違ったスタイル。 

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たまたま停電していたので、電気がつかず、それがいい具体にフェルメールの絵画のようでした。デモンストレーションしてたらどんどん子供達が集まってきました。 

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トン族の村は「鼓楼」と風雨橋」

トン族の村は、建築様式も独特で、高層の塔「鼓楼」と、それとセットの屋根付きの「風雨橋」や整備された水路が必ずあり、景色を一望してそれとわかる。

これが鼓楼 です。 

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これが風雨橋。

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この村は風情ある伝統的な街並みが維持されている。木造の建物、藍染の樽、水路が巡るみずみずしい村。

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鼓楼の中では民族衣装のお爺さん達がじっとタバコを吸いながら、トン族の原語で作られたという昔昔の映画をぼんやりと眺めている。そこだけ全てがモノクロームにさえ見えてきて、まるで村全体が映画の中の世界のようである。

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しかしふとふりむけば、沢山の若いお母さんたちがそれぞれの赤ん坊を抱え、外の長いベンチにずらっと並んでで井戸端会議をしていたり、観光客の我々のために民族衣装を着て元気に外に出てくる子どもたちもいる。 

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成人男性は出稼ぎに行っているそうなので、村にいるのは女性と子供とお年寄りばかり。近年では少数民族対する補助金もあり大学進学する人も増えているため、職業の選択肢が広がっているとか。つい近年まで自給自足の村だったというので、目覚ましい速度で変化が進んでいる。

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 村にぽつんとあった雑貨屋さんでは合成繊維の反物が販売されていた。どれもちょっとテカテカしたり、マゼンタやグリーンが多めな気がする。ダンスとか舞台用のテキスタイルっぽい。店番のお兄ちゃんは、米国の国旗風のプリントのジージャンに、金のチェーンネックレス。

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しっとりした古い映画のような風景の中に、様々な世代のそれぞれの生活が息づいていた。

 

 

 

this blog was written by KAO KANAMORI

 

ーメモー
2017年は「貴州センター」であらかじめ目的に応じてツアーを作ってもらって、4名の仲間で旅。
ファッションデザイナーの新居幸治(Eatable Of Many Orders)とその娘という御一行に誘ってもらい、共通の知人でインテリアデザイナーの安藤僚子と連れ立って、広州→貴陽→そこからチャータの車で周遊しました。2018年も同じくコーディネートしてもらい、15人くらいでバスで回りました。色々相談すると見たいものに合わせたプランを組んでくれます。